2006年までの代々木アニメーション学院(以下、代アニ)のお金にまつわる問題がひと段落したと思ったのもつかの間、2015年になって今度は卒業生との報酬トラブルが発生しました。
最終的には「お互いに反省すべき点も多くあった」として和解する形となり、代アニの要請に応じて、松山氏は代アニを批判する自身のツイートを削除しました。
両者の主張に対する周囲の反応も「賛否両論」あったため、どちらかが一方的に悪いと言った結論には至らず、ともすれば批判の的となりがちだった代アニの対応も、この時ばかりは「代アニひどい」と炎上するところまではいかなかったようです。

松山せいじ先生は福岡県出身の漫画家で、代アニのマンガ・コミックプロ養成科(現在は閉講、今のマンガ学部の前身とも言える学科)の卒業です。
※代々木アニメーション学院で今現在も活躍する多くの有名な卒業生については、入学案内に詳しく掲載されています。
代アニ卒業生の漫画家【松山せいじ報酬トラブル】はどっちがひどい?
【松山せいじ報酬トラブル】は、2008年(代アニの見解では2006年)に代アニが松山氏に依頼したイラスト仕事の報酬が不払いであることを、2014年9月に主張した松山氏と代アニとの間で起きたトラブルのことです。
事の発端
2008年5月頃、代アニのB:お世話になっている職員からのメールで書き下ろしイラストの仕事をいただく人物3点10万円のギャラいつも体験入学の依頼やアシスタントの斡旋でお世話になっているので友達価格で引き受ける。
(中略)すべてメール上にて口約束で仕事を進めておりました。B:への信用です。契約書は無し(漫画業界はイラストや連載では滅多に契約書を書かないことが多いです。)
引用元:松山せいじ氏のツイート(現在は削除済み)
2008年に松山氏は代アニの職員からメールで仕事依頼を受けましたが、契約に関する書面は交わしていないとのこと。
契約書や請求書がない理由
ここからお恥ずかしい話ですが、漫画業界長年やってきたんですが、この業界請求書の概念が無く、つい最近まで書き方すら知りませんでした。
引用元:松山せいじ氏のツイート(現在は削除済み)
契約書や請求書と言った書面は、マンガ業界特有の慣習のようなものから、松山氏は「書いたことがなかった」と述べています。
なにより信頼関係さえあれば、そういったものは不要だと言う認識で、代アニで依頼をいただいた方に対しても同様だったようです。
代アニの対応
2008年に依頼された仕事のギャラを支払ってほしいという松山氏の主張に対して、代アニは当時の正式な書類が残っていないため、ギャラではなく「解決金」名目で支払うという解決案を提示しました。
解決案が描いてある、「解決金」の名目で支払われる、しかし私のイラスト仕事は認められ ていない、とてもショックで悲しい気持ちになる。
引用元:松山せいじ氏のツイート(現在は削除済み)
これに対し松山氏は「やった仕事を無かったことにするのは、漫画家に対しての最大級の侮辱であります」と憤りをあらわにしました。
代アニの公式見解
この件が次第にニュースサイトでも大きく扱われ始めたことで、2015年5月28日、代アニは「公式見解」を発表しました。
引用元:excitenews
<代アニの公式見解要約>
- 当時の職員への聞き取りなどから、松山氏のイラスト作成の事実は確認できたが、ギャラを支払う根拠となる契約の存在、内容や支払いの有無までは確認できなかった。
- 9年前の事象であるため、税法における帳簿書類等の保存期間である7年間を経過しており、帳簿書類等を確認することができない
- 既に時効期間である5年間が経過している
- 契約書、請求書はもちろん、取引に関連して作成された資料も一切なく、しかも、法的にみれば時効期間が経過している報酬のお支払いをすることは、当社の資金管理の面でも、また、コンプライアンスの面などでも問題が生じる
- だが、「代アニ」としては、「大切な卒業生の一人」である松山氏と険悪になることも望むところではないので「解決金」の名目で松山氏の請求する金額と同額を支払う
- 松山氏にツイート内容の訂正と謝罪を掲出するよう提案した
- 決して過去の仕事を認めないなどという意図ではなく、当学院として取り得る最大限の配慮をさせて頂いたものと考えている

公式見解を読むと、松山氏は「2008年の依頼」と認識していたイラスト仕事は、代アニの確認では9年前、つまり2006年だったという食い違いもあったようです。
一応の解決
これを受けた松山氏の最終的なツイートは、以下のようなものでした。
この件の後悔と心境をひとつ、2008年にイラストを描かなければ 良かった。こんなことにはならなかった。以上です。引用元:松山せいじ氏のツイート(現在は削除済み)
周囲の反応
この件を巡る松山氏のツイートは30万回以上閲覧されたと言われており、それを見た人の反応も様々でした。
率直に言えば、過去にはお金を巡る問題で散々批判を受け続けてきた代アニでしたが、今回に限っては代アニの対応ばかりが責められるということはありませんでした。
- 松山氏の請求は月日が経ち過ぎていたこと
- 業界事情があるにせよ書面を残していなかったこと
- 解決金名目であっても代アニが支払う姿勢を見せていたこと
※代々木アニメーション学院OB・OGや他の卒業生たちは代アニにどのような想いを抱いているか入学案内を参考になさってください。
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